第1話「白兎を追いかけて」
不思議な不思議な不思議な世界。
そこに堕ちた一人の少女。
少女はなんとも・・・タフだった。
少女の名前は『アヴェンジュリス』。
家族や友達、皆から『アリス』と呼ばれていました。
腰まで届く長くて綺麗な栗色の毛。
沈むかのように深い海のような深蒼の瞳。
長く生えた睫毛。ふんわりとしたスカートから伸びる脚。
ふんわりした袖から伸びるすーっとした腕。
誰もが羨む容姿をした16歳の少女。
しかし、彼女は・・・そんなことに一切興味のない。
夢のない、タフな少女だった・・・。
「きゃっ」
一人の少女が石に躓きました。
しかし、これはアリスではありません。
その時、がっと少女の体を優しく、そっと包むように
支えた手が添えられました。
「大丈夫ですか?」
その手は躓いた少女の乱れた髪をそっと直し、
少女の瞳ににっこりと微笑みかけた。
そう。この男前で紳士なこの人こそ、
我らがヒロインで主人公の・・・
アヴェンジュリスことアリスである。
少女はアリスに一礼して、慌てるようにその場から去ってしまった。
ふとアリスが目線を下にやると、懐中時計が一つ落ちていた。
さきほどの子が落としたのだと思ったアリスはソレを拾い、
少女を追いかけた。
くりくりとした銀色のくせっ毛が肩まであり、真っ赤な瞳をして、
白いフリルの服に身を包んだあの少女。どこか、兎を思い出させた。
アリスは運動が得意で、どうやら少女は得意ではないらしく、
アリスは目の先に少女を見つけた。
が、どうしたことか少女はぽっかりと開いた小さな穴に
潜り込んでしまった。
冒険心はあるが、危険心のないアリスはかまわずに少女を追いかけて
穴に潜り込んでいった。
穴の中は真っ暗で何も見えなかった。
が、探検心はあっても、恐怖心のないアリスはかまわずに奥へ進んだ。
奥へ進んでいると、急にふっと重量感がなくなった。
それと同時に、上から下への重力に逆らわない感覚があった。
つまり、落ちている。
違和感を感じても不安感を感じなかったアリスはそれが妙に心地よくて、
ふっと、落ちながらも眠りについてしまった。
目を覚ますと、そこはなんとも不思議な世界だった。
カラフルな色で彩られた可愛らしい小部屋。
その部屋には、机が一つと机の上に小瓶が一つ。
そして、自分の手だけがなんとか通るんじゃないかというくらい
小さな扉があった。
アリスは机の小瓶を手に取った。
小瓶には、タグがついていて、そのタグには
『Drink me(私を飲んで)』と書かれていた。
アリスは、『そうか、これは誰にも飲まれなくてついにはこんなタグまで
つけられてしまったのか』と思った。
と、同時に『そんな誰も飲まなかったような飲み物を飲んで大丈夫だろうか?』
という疑問も一緒に浮かんできた。
が、しかし・・・こんな哀れな飲み物を放っておけなくて、アリスは男らしく
小瓶の中身を一気飲みした。
味は、とてつもなく苦かった。まるで、何かの薬を飲んだかのように。
ふと、気がつくと自分の目の前に机ではなく大きな棒が立っていた。
見上げて見ると、それはさきほど自分の腰ほどにあった机であった。
「・・・は?」
さすがのアリスも間抜けな声を出してしまった。
でもスグにまぁ良いか、と開き直ってしまった。
そして、自分のできることを見つけた。
そう。あの、小さな扉に入ることが出来るのだ。
この、(どうやら)縮んでしまった体ならば。
扉の向こうは、森だった。
その森は、なんとも不思議だった。
何故なら、植物がしゃべっているから。
「あら、あなたはなぁに?」
「私は薔薇よ」「あら、私は椿よよろしくね」
などと話しかけているのだ。アリスに。
「ねぇ、ここはどこかしら?私、道に迷ってしまったのだけれど」
動じないアリス。
『しゃべれるなら情報聞き出せば良いじゃない』と思える人間。
「あらそうなの?ここはワンダーワンダー国のワンダーの森よ」
『そのまんま・・・』と、思えど口は出さない。
「この国では女王に逆らってはいけないのよ」
「殺されてしまうわ」「茎から切られてしまうのよ!」
「あら、私の友達は根っこから引き出されたわよ」
「女王様に逆らえば死あるのみ、よ!」
花達は個々にそれぞれ言っているが、アリスはとりあえずこの国に
女王様がいて逆らったら殺されるのか、とだけ理解したので、他でいろいろ
話していても、気にしないことにした。
どんどんどん奥へ進んでいくと、なにやら広場で帽子が散乱していた。
アリスはその広場へと近づいた。
男がせっせっせと帽子をかき集めて、その帽子をまた違う男が投げていた。
あれでは、同じことの繰り返し。集めては投げ、また集めては投げる。
困っている人を放っておけない男前で紳士なアリスは集めている男の方を
手伝うことにした。
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会話がなさすぎる、会話が。
男前な格好良いアリスが書きたかったんです。
ヒロイン?白兎じゃないんですか(ぇ