第1話「滅びの予兆」


世界は滅びるべきなのだ。

醜い人間、汚染された空気。

一度、滅ぶべきなのだ。

腐った世は、消えるべき世だ。

破滅を望みし、人間の思念の王

ただ、世界が滅べばよい

そう望む破滅に向かう夢


『The Rord To Ruin』
― 破滅への道 ―


時は現在。

時刻は寅の刻。

夜明け前の薄暗い道。


「反応は確かこの辺りだったはずなのに」


少女は電柱の上に立ち、地図を広げる。

赤く丸印を付けられた地点を確認して、

電柱の下に降り、電柱に書かれている住所に目をやる。


「おかしい・・・ここなんだけど・・・」


少女のツインテールされた髪が、だんだんと朝日を浴びて、

次第に赤い色がはっきりと鮮やかに浮き出る。

明るくなってきたおかげか、見渡しも良くなった。

ふと、地面に人が倒れているのを少女は目で確認した。


「!!しまった、間に合わなかった」


その人は、自分と同じ年くらいの少年で、男にしては
珍しく長い髪だった。それも鬱陶しかったのだろう、一つにまとめて
ポニーテールされている。


「大丈夫?大丈夫?ねぇ!しっかりして!」

「うぅ・・・」

「!大丈夫?!」

「何だったんだよ・・・もう」

「え?」


少女は、目を覚ました少年を見てポカンとする。


「あなた、何ともないの?」

「え、いや・・・頭は・・・ズキズキ・・・そういや・・・左肩も・・・」


少年がそういうと、少女はばっと、少年のジャージの左袖を、肩が見えるまで上げた。


「いで、いだだだだだ」


少女はそんな少年の悲鳴をを無視して、つぶやいた。


「まさか、波紋者(はもんしゃ)がこんなところで現れるなんて・・・」



少女がそこへ来る、30分前のこと。



「いやぁー、24時間営業コンビニって楽だぁ」


黒髪の少年―保坂 京太(ほさか けいた)。

ただの高校生で、2年生。誕生日はまだのため16歳。


「欲しいって思ったときに買えるもんなぁ〜」


ただ、ソーダが飲みたかっただけ。

だから、わざわざ買いに来たのだ。

それだけのはずだった。


「貴様ノ怒リヲ我ガ手ニ」


「へ?」


突如、頭に痛みが走る。

頭の中に声が響く。

何度も何度も繰り返される。


『滅べ、滅べ、滅べ、滅べ、滅べ...』


「うわああぁぁあぁあぁぁぁ!!」


痛みはどんどん激しくなる。

頭が割れそうとはまさにこのことで、

もう、今自分がどんな行動を取っているのかも分からない。

とにかく、痛くて、ぐちゃぐちゃで気持ち悪くて。

けれど、突然傷みも何かもかも無くなって。

無音の世界に放り出された。

何も見えない。何も聞こえない。


(あぁ、俺・・・死ぬのか?)

(貴様ノ怒リハ何ダ)

(俺の・・・怒り?)

(怒リ、絶望、悲シミ)

(ねぇよ。俺、今幸せだもんよ)

(コノ世デ幸セ・・・カ)

(何だよ、お前は)

(コノ世ヲ滅ボス王)

(はは、やめてくれ。面倒くさいけど、俺、好きなんだよ、今が)

(貴様ノ心ニ闇ガ見エヌ)

(違うよ。怒りとか、絶望とか俺、ないだけだよ)


もう、声は何も言ってはくれなかった。

また無音が広がった。


しばらくして、今度は女の子の声が聞こえた。


「・・・ぃじょうぶ?ねぇ!しっかりして!」


ぼんやりと意識がはっきりしてきた。

どうやら、少女は本当に俺を心配してくれいるらしい。


「うぅ・・・」

「!大丈夫?!」


少女の心配してくれるその声が、頭にガンガン響く。

それにしても、さっきのは一体・・・。


「何だったんだよ・・・もう」

「え?」

少女は、京太を見てポカンとする。

「え、いや・・・頭は・・・ズキズキ・・・そういや・・・左肩も・・・」


京太がそういうと、少女はばっと、京太のジャージの左袖を、肩が見えるまで上げた。


「いで、いだだだだだ」


少女はそんな京太の悲鳴をを無視して、つぶやいた。


「まさか、波紋者(はもんしゃ)がこんなところで現れるなんて・・・」

「・・・?」



*****To be continued...
一時、オフ友に配布していたもの。
こっちに載せようかと唐突に思った。